下層圏の女

地検が昔、調べたらガチだったそうです。下層圏の女。

プリンスの墓標 堤義明怨念の家系
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●大物女優の「口紅」

東京都港区高輪にある「高輪プリンスホテル」は、堤義明にとって特別な意味を特つ場所であった。「特別」とは、西武グループが所有・運営する他のホテルとは別に、決して人に明かすことの出来ない「目的」を果たすために用いられるという意味である。

このホテルは、東京の南玄関口・品川駅から徒歩三分の地にある。品川駅からさくら坂を登ると同ホテル「さくらタワー」があり、雑木林の生い茂る広大な庭園を挟んで、奥に石作りの西洋建築「貴賓館」と「和風別館」、「高輪プリンスホテル」かあり、左手には巨大宴会場の「飛天」と「国際館パミール」があり、その間に当初からマンションヘの転用も計画に入れて建設したと言われる「新高輪プリンスホテル」の白亜の建築もそびえ立つ。
三つのホテル棟を結広縁の庭園は約二万平方メートルに及ぶ。
このホテル群へは、品川駅から「さくらタワー」玄関へのアプローチ、高輪プリンス正面玄関へのアプローチ、ざくろ坂を登った新高輪プリンス玄関へのアプローチという三つの入口があり、樹々に隠れて人目から逃がれられるという利点がある。
三つのホテルのうち、最後にオーブンした「さくらタワー」のオープニング・イベントに筆者自身が招かれたことかあるが、各ホテル間を繋ぐ通路は複雑に入り組み、案内表示を確かめないと、方向感覚を失ってしまいそうな「迷路」の様相を呈していた。このオープニング・イベントで堤義明は、当時キャンペーンガールだった女優の沢口靖子を脇に立たせ、国内外からの賓客を出迎えていた。
数多くの出入口があり人目につきにくいという構造を生かして、堤義明は「高輪プリンスホテル」を自らの「私邸」化した。
好みの料理人を揃えて、そこに政治家や人気女優らを招いて密談する「秘密の館」と位置付けていた。
「例えば、この3ホテルの敷地内に新しいレストランがオープンした際、堤は愛人と言われた秘書課の女性と、荻窪第二夫人と呼ばれた女性を同席させ、料理やサービスを自らチェックし、○△×といった項目で採点した。何かに落度があれば現場の責任者を呼んで、二人の女性の前で叱責するのです。秘書の女性はそうした場合、社員側の擁護に回っていました。
一方でそのレストランがTV番組で紹介され、有名タレントが料理やサービスを誉めたりすると、途端に態度が変わって現場を評価するというかなりミーハーな部分もありましたね」 と元社長は語る。
このように周囲も公認の愛人を伴なって堂々と「高輪プリンスホテル」を訪れることもあれば、時には大物女優と「お忍び」で真っ昼間から逢瀬を楽しむこともあった。
「高輪プリンスホテル最上階の16階には、四室続きのロイヤルスイートルームがあり、最も手前にキッチン付の部屋がある。前会長が客を招いて食事される場合は、三人のスタッフが付いて、キッチン付の部屋で料理の準備をする。前会長のいるロイヤルスイートの奥のリビングとの間にもう一つ部屋かおり、そこは中からしか開けられぬ二重ドアが付いていて、そこに料理を乗せたダイニングテーブルを置くわけです。テーブルを置いて、ドアを閉めると担当者がドアを開けて、料理を取り出す。
その担当スタッフは決まっていて、彼以外は中に入れません。
食事が終るとテーブルを再び中央の部屋に移勤し、片付けるわけですが、使用したワイン・グラスに大物女優の口紅が付いていると厨房などで大騒ぎになるわけで、中にはそのグラスをこっそり持って帰りたいと冗談を言うスタッフもいました」もちろん女優の名は、ほとんどの社員が知らされていないが、ある程度事前に漏れる場合もあり、社内では「公然の秘密」となるわけである。
こうした芸能関係者と堤義明の会食などのセッティングは、全国のプリンスホテルで行なわれるディナーショーの企画を一手に引き受ける株式会社プリンスホテルの経営幹部が専門 に行なうと、元社員は苦言する。
「例えば、ディナーショーの企画を待ちかける時、堤前会長のお気に入りの女優やタレントがいたりすると、まず各ホテルのキャンペーンガールやクリスマスのディナーショーの仕事を振り、それが終った後に二度、ウチの会長に逢ってみませんか、と芸能事務所を通じて会合を待ちかけるわけです」
ホテルで会食をし、女優の様子を見て、まんざらでもないと判断すると、軽井沢、苗場などのリゾート地にある別荘へと招待した。
高輪プリンスホテルは、堤義明個人にとっては、ホテル本来の目的とは離れたレストラン、使用人付の「私邸」として利用されてきたわけである。
その「秘密の館」を現在、頻繁に使用しているのが、他ならぬ小泉純一郎首相である。
もちろん「高輪プリンスホテル」自体は、一般客を対象とした都市ホテルであるため、若い社員の中には、堤前会長がこうした利用をしていることを全く知らないスタッフも多かった。前会長専門に食事等のサービスを行なうスタッフがおり、専門のベテラン社員がそのセッティングを行なった。それは、プリンスホテルそのものの業務とは、全く関係なしに行なわれた。
堤義明にとっては、「仕事」そのものが「遊び」であり、「遊び」が「仕事」であった。高輪プリンスホテルに限らず、オーナーの堤義明が系列のホテルに愛用のベントレーやジャガーで到着する際は、ホテル幹部及び指摘されるポイントを知り尽した古参社員が出迎える。
中には、提前会長が玄関からエレベーターに乗るまでの数十秒を利用して、直接通したい案件を手短かに説明し、会長の承認を得る幹部もいた。万一、「何の話だ」と聞かれた際のために、事前に資料も用意しておく。そうすれば、早い者勝ちでダイレクトに会長決裁がもらえる。
プリンスホテルは、ホテル同土互いの営業成績をかけて激しい「内向き競争」を行なっていた。普通、ホテル業界は、資本の異なる他ホテルと競争するのが通例である。
ところが、プリンスホテルは、例えばカクテルの創作コンテストでも、プリンスホテル・チェーン内で技を競うのである。
ホテル経営に関する提案も同様で、各地域のプリンスホテルが組織内で営業成績を競う。
それに勝つためには、提前会長が来館の折に直訴し、承認を得るのが最も手っ取り早いのだ。
それによって、他のプリンスホテルを一歩リードできるわけである。ホテル玄関からエレベーターまでは距離にして約三〇メートル。その間に担当者は提案を手短かに話し、提から「ウーン、いいよ」と承認を取った方が勝ちである。
そしてその企画や提案がヒットすれば、ホテルの総支配人に引き上げられることも夢ではなかった。
だが、この10年余り、提義明へ、現場の「真実の情報」はほとんど伝わっていなかった。代りに、「実権」を握ったプリンスホテル社長の山口弘毅らのグループが情報を遮断し、堤に現実を見せないでいたと元幹部は苦言する。そして、近年はむしろ堤の権威にすがる幹部は敬遠された。
山口らから「君は、間違った山を登っている」と直接、注意された社員もいた。忠誠を尽すなら、実権を握ったN02の山口の方ではないかという意味合いが、この言葉にはこめられている。
かくして、提前会長に忠誠を尽せば、側近のN02グループから批判されるという、ややこしい「二重権力構造」が出来上がった。その結果、板ばさみにあって退職する社員も少なくなかった。

 

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東京新報

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