日産“女性専務”はどこかのおばさん市長と仲良し。客の言葉を大切にしない考え方はビジネスを軽視しているとしか言い様がない。
カルロス・ゴーンに“口説かれた”女
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/09210731/?all=1
日産の星野朝子専務執行役員(58)だ。実は中高時代にテニスに熱中した経歴を持つのだが、もちろんそれが、今回の大役に抜擢された理由であるはずもない。日産広報部は「日本事業の総責任者ですので、この契約にも責任を持っております。そうしたことから出席しました」と説明する。
デイリー新潮より
「堅物に見えるゴーン氏ですがとにかく気に入った女性は大事にするんです。過去には、エールフランスの機内でたまたま出会った日本人CAを引き抜いてお世話係にしたり、見事なプレゼンを披露した他社の女子社員を、スカウトしたこともありました。口説く時は単刀直入、有無を言わせぬ勢いで、自ら“君が必要なんだ”と言ってのけたそうですからね」(日産関係者)
入社した女性の一人は、“日産初の女性専務”として抜擢されている。
「お客の声」を聞くと必ず失敗するわけ
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/252773/102700009/?ST=smart
川島:日産自動車の復活のきっかけはグローバル化にあった、とおっしゃいました
星野:ええ。ルノーの上級副社長だったカルロス・ゴーンが、経営危機にあった日産の経営改革に取り組み始めたのが1999年。
ルノーと資本提携を行い、日産は否が応でもグローバル化の波にさらされることになりました。
川島:日産のように伝統のある大企業が、外資系とアライアンスを組んで、いきなりグローバル化するのは、ある意味でものすごく難しいことだったのでは?
星野:たしかに、それまでは日本中心の考え方で、「こういうクルマを作ったから売り出そう。きっとどこかにマーケットはあるはず」
という感じでした。「技術の日産」信仰が強過ぎて、プロダクトアウト主義に陥っていた感があったと思います。
川島:ものすごくドメスティックな会社だった?
星野:ずっと昔から海外進出はしていました。でも、どこまで現地に合わせた商品作りをできていたかには疑問がありました
。左ハンドルを用意したり、道路事情に合わせて車幅を広げたり、というレベルで止まっていたとも言えます。主力ビジネスは日本市場で、
世界市場はどちらかといえば後回しだったのです。だから、日産に乗りこんだゴーンは、
「多様化するお客様のニーズに応えた商品やサービスを生み出す」ことを、明快な方針として打ち出したわけです。
川島:そこで言う「多様化するお客様」とは、つまり日本だけじゃない、世界のお客様を相手にしろ、ということですね。
星野:そうです。各国の市場で本当に必要とされる商品を作り、売る。グローバル化のイロハを現場が実践できるように、
ゴーンは改革を進めました。さまざまな地域や民族にわたるお客様のニーズやトレンドを理解・把握し、
それぞれの市場にフィットしたクルマを作っていかねばならないということです。大半の社員が日本人だったので、
生易しいことではありませんでした。成果が出るまで時間がかかりましたね。
「居心地がいい」とは何かまで突き詰める
川島:星野さんがいらっしゃる前と後で、クルマ作りにおけるマーケティングは変わりましたか?
星野:お客さまが選ぶものは、お客さまが今欲しいと思っているものです。クルマの開発は最低でも4〜5年はかかりますので、
お客さまの今の声をベースに作ると数年後に出した車は時代遅れになってしまいます。従って、クルマを作る上流過程でお客さまに
デザイン案のうちどれがいいか、とヒアリングをするのは禁止しました。お客さまの意見を聞くことは重要ですが、
それをそのままクルマ作りに生かすというやり方をとってはいけません。
川島:では、クルマ作りにおけるマーケティングは、何をすればいいんでしょうか?
星野:日産では、自動車そのものの好みやデザインについてではなく、お客様の感性やライフスタイルを理解するフェーズについて、
徹底したマーケットリサーチをしています。例えば、「居心地のいい空間」というのが、インテリアのコンセプトだったとしますよね。
そうすると、居心地とは何なのか、居心地がいいとはどういうことなのか、色、形、匂い、音といった領域まで含めて突き詰め、調査・分析していくのです。
川島:なるほど、クルマではなく、ユーザーの感覚や気持ちをマーケティングするということですね。
星野:そうです。モノありきではなく、あくまでユーザーの視点に重きを置いたマーケティングをしています。
ただ、お客様の感性とかライフスタイルを理解するだけでは、最終的に「日産らしさ」を感じさせるクルマは生まれてきません。
デザインは極めて具体性のある仕事ですから。
川島:では、どうすれば「日産らしい」デザインのクルマになるんですか?
星野:うちには、日産のデザインはこうでなくてはいけないというフィロソフィーがあります。このフィロソフィーに則ってデザインしているのです。
川島:そのフィロソフィーについて教えてください。
星野:日産のデザインにおけるフィロソフィーとは、クルマを開発するにあたっての「共通言語」です。
川島:「共通言語」ですか?
星野:ええ。デザインって、ややもすると、人に説明する時は抽象的になってしまう。言語化できなくなってしまう。
ただ、それでは、複数のデザイナーが1つの商品に関わっているクルマのデザインでは、コミュニケーションがとれなくなってし
まうわけです。そこで日産では、デザインについてのさまざまなキーワードを作り、ひとつひとつの意味について、
すべてのデザイナーが共通認識を持つようにしているのです。
川島:デザインという本来ならば非言語的な感覚に基づくものを、あえて言語化するってとても大切なことです。
星野:もしクルマが、一人のデザイナーの手によって完結するものだったら、そこまでする必要はないのかもしれません。
しかし実際のところ、クルマは、多くのデザイナーが関わって作っていくもの。例えば、プラットフォーム、ライト、ボンネット、
ルーフなど、パーツごとに分担してデザインを描き、商品を作り上げていく。となれば、関わっている人たちが、
お互いに言葉を通して同じ感覚を共有し、それを表現していかなければいけないのです。
人ってやっぱり、言葉でコミュニケートするので、感覚的なことも、きっちり言語化できていないといけない
それも、あくまで定性的なキーワードが重要であって、定量的なキーワードではありません。
川島:どういうことですか?
星野:「この部分の角度をR29じゃなくてR30にしてみよう」と言われても、それだけではピンとこないじゃないですか。
そうではなくて、R30にしたことで何がどうなるのか、ということを言語化する。そこで初めて、R30の角度にした意図が、関係者の間で共有できるということです。
川島:クルマや家電といった工業製品の世界って、男の世界だなあ、と思います。そのせいでしょうか、
大手家電や自動車のメーカー内で使われている言葉を、いきなり社外の会話で使われてもピンとこないんです。
星野:それ、すごくよく分かります。だから日産では、社内のデザイン会議においても、専門用語をなるべく
使わないようにしています。デザインのテイストについても、「ここが硬質過ぎるからもう少し柔らかくしよう」といった表現で理解する。
こうした感覚的なことをきっちり言語化してはじめて、多数の関係者が、ひとつの新しいクルマのデザインを一緒に創っていけるわけです。
川島:さまざまなメーカーの方のお話をうかがうと、技術部門は最新技術を盛り込んだフルスペックを出してきて、
デザイン部門はそれを受け止めざるを得なくなる、と言います。どちらかというと技術部門主導で、
デザイン部門が置き去りにされている場合が少なくない。でも、デザイン部門は製品作りで大きな役割を担っています。
技術部門が提案してくるフルスペックって要らないこと、結構あるのです。日産で、技術とデザインの仕事のバランスは、どうしているのでしょうか?
星野:うちは商品企画部門という部署が、世の中的に言うとマーケティング部門にあたります。この部門が、いわば翻訳者の役割を果たしているのです。
川島:翻訳者?
星野:技術者とデザイナーの間に入る翻訳者です。技術者とデザイナーは、火星人と水星人みたいなもので、
間に地球人が入らないと、コミュニケーションできないのです(笑)。そこを日産は、商品企画=マーケティングが担っているのです。
川島:火星人と水星人とは、言い得て妙です。技術とデザイン。企業の中でも共通言語が少ない部署同士だから、
通訳として商品企画の役割って重要です。2つの部署がスムースにつながっていけば、自ずと「かっこいい」クルマができていくと思うのです。
つまり、マーケティング部門が果たす役割は、縦割り組織を横につなぐことでもあるわけです