民間療法被害 記事元:ペインクリニカルセンター
先日、質問のメールを頂いた40代のOさんと言う女性の患者さんとの出会いは衝撃的でした。
独身の方でしたが、長年銀行に勤務されていて資格を取った事から退職し他の職場に転職する寸前に起きた事故でした。
乙女心からでしょうか?
新しい職場で出会う人達から少しでも好印象で迎え入れて貰いたいと言う思いから動いたことが今回の悲劇に繋がってしまったそうなのです。
自分のスタイルや顔にコンプレックスがおありになったそうで、体の妙な歪みを取りたい、顔も鼻が少し歪んでいるので治したいし、もう少し小顔になりたい。と言う思いが以前からおありになったようです。
たまたま目にした雑誌の中に、中々口コミでの評判の良い整体院があると知り、クーポンも使えて今ならお得だから行ってみようと思い立たれたそうです。
わざわざ時間を掛けて、遠くまで治療に行かれたそうですが、とにかく想像を絶する乱暴な整体で、首や腰を嫌と言う程捻られたり、足を引っ張られたりしたそうです。
途中で気持ちが悪くなってしまったそうで「もう帰りたい。」と申し出ますと、「こんな中途半端な治療途中の状態で、わざわざ遠くまで来て帰るのか?」と凄まれて仕方なく、小顔の調整までされてしまったそうです。
これが、またむちゃくちゃにただ顔を適当に押しまくるだけで激痛が走ったと言うのです。
そこで、懲りて民間療法と縁を切ってしまっていたらまだ良かったのですが、以前行った事がある木槌で骨を叩いて治すと言う整体に駆け込んでしまったのがさらに悪化させる要因になりました。
そこでも、首や腰を捻られ、あちこち叩かれして顔もまた弄られ症状が更に悪化してしまったと言うのですからたまりません。
体中に痛みが広がり、あちこちが強張る感じが出て来てしまったそうです。
口の中も炎症を起こして腫れているような状態。
精神的にも参ってしまったそうですが、整形外科、耳鼻科、内科と考えられる病院の科を走り回り内科に異常をきたしていないかどうか?を調べられたそうです。
一応、大丈夫だと言うことになったそうですが、口の周囲の痛みや違和感が中々取れないので最悪は、膠原病でも引き起こしたのか?心配になり今現在血液検査の結果待ちだと言うことでした。
また、脳脊髄液減少症も心配されているようで最悪はそうした検査もして貰う事も視野にいれているとか。
ここまで来ると、完全な傷害事件です。
こんなに連続して出鱈目な整体で酷い目に遭わされた患者さんは久しぶりに拝見しましたが、彼女の様な感覚で整体やカイロと称するものを何となくまともなもの、良いものと言うイメージで見ている人が世の中の大半を占めるのでは無いでしょうか?
マスコミやネット上の誇大宣伝に完全に騙されてしまって居ることが一番の原因だと思うのですが、そう言う事をやっている連中は社会からドロップアウトしてしまってやる事が無く治療の真似碁をとやっている連中が多いのです。
中には、カルト宗教やマルチ商法と組んで物品販売をやり、恐喝や催眠療法的なやり方で売りまくっている連中まで居る世界です。
彼女のお話を聞き、治療の説明をしている間にもハンカチを取り出してしきりに溢れ出てくる涙を拭っておられました。
今回のアクシデントで、新しく決まった就職先での仕事を続ける自身が無くなってしまって一端お断りをしたそうです。
万が一、内科に大きな問題が起きていたらと考えると非常に責任の重さを感じてしまったからだそうです。詳細は、新しい就職先には伝えてはいないそうで、一人で悩んで来たとおっしゃるのです。
非常に、生真面目な方ですから自分を攻め続け、誰にも相談出来なかったのでしょうね。
当院のHPを熟読されて、「この先生なら、助けてくれるかもしれない。」と思ったそうです。
私も、長年この仕事をしていますから患者さんからどんなショッキングなお話を聞いても一々驚きはしませんが、一番のポイントは彼女の心がまだ折れてはいないと言うことでした。
非常にしっかりとした目をされていますし、元々頭の良い方ですからきちんと論理的に起きたことを頭の中で整理し何をすべきかを、的確に判断して事故の後も出来る限りの手を打っておられることも立派だと思いました。
お話をしている最後の方では、笑みも浮かぶようになりすっかり安心されたようでした。
そこで、早速治療に取り掛かりました。
やるべきことは、どんな患者さんでも基本的には同じですが手順を変えたり角度の付け方や力加減は慎重に選択しませんと、こういうセンシティブな患者さんには余計な不安を与えてしまいます。そこだけに細心の注意を払いながら、彼女の反応を確かめながら通常よりも時間を掛けて慎重にじっくりと診させて頂きました。
治療の途中から、呼吸がまず楽になり始め、首の周囲の違和感が和ぎだしたことでさらに安心感が増したようでした。
生まれつきとても体が柔らかい方であったことも幸いしたようです。
体の柔らかさは、衝撃から体を守ってくれる要素がありますからそれが最悪の事態を避けてくれたのかもしれませんね。
女性の患者さんには多いタイプなのですが、ド素人の民間療法をやっている連中は、そう言う患者さんの関節の動きが理解出来ていない為に、どこまでも動く関節だと錯覚して出鱈目にいじり回して、これでもかこれでもかとやってしまうので、大怪我をさせてしまうことが良くあるのです。
一連の治療が終わり、感想をお聞きしますとまずは笑顔で応えてくださいました。
「まだ、体の一部には違和感が残りますが、兎に角呼吸が楽になりました。首の痛みが殆ど消えたことで体全体がリラックス出来る様になったと思います。
来た時とは雲泥さです。本当に、ありがとうございました。」と喜んでくださったのです。
物理的な間違った手法で、めちゃくちゃ強い刺激を与えられたことで体も心もカチカチになってしまったのとそれだけ、防御しなくてはいられない程の衝撃だったと言うことです。
どんな世界にも、頭のおかしい人間はいますが人の体を出鱈目にいじり回して「治してやっている。」と平気な顔をしていられることが、どうして法的に許されるのか?
何の為に、国家資格免許まであるのか?
現実と法律、そして政治の在り方があまりにも乖離しすぎてしまっているのがこの国の民間療法をのさばらせている一番の原因だと思うのです。
中国整体と称する事をチェーン展開している連中も、中国からの密航者を匿っていたり犯罪組織の末端として機能していることが良くあると言います。
そのような、連中をマスゴミは平気で取り上げ、やれ「芸能人も通っている。」「神の手の持ち主だ。」「クーポンも使えて安い。」などと囃し立てるのですから裏の事情を何も知らない一般の人の中にはまんまと騙されてしまう人も当然出てくるのです。。
こうした世界を良く知らない世間一般の人達が今までにもどれだけ被害に遭っているか。
考えただけでゾッとするのです。
下記は、昨日頂いたOさんからのお礼のメールです。
一度の施術で、ここまで回復して頂ければなによりだと思います。
Oさんの一日も早い回復と、新しい職場に自信を持って入って行くことが出来る日がやってくる事を心から願っています。
本日お世話になりましたOです。
あれからすぐに好転反応も落ち着き、心地よいぐったり感で帰宅できました。
先生の施術から9時間経ちましたが、驚きの回復力です。
まず、臀部・太もも・ふくらはぎの外側が断続的にかたくカチカチにつっぱっていたのがなくなりました。
本来のかたさに戻り、痛みもありません。
次に、私が「骨盤矯正で骨盤を締められすぎたのか」と思ってしまったお腹の方ですが、こちらも内臓がカチカチになっていたのがなくなりました。
不調になった頃から、もしかして難病なのかと思うほどゴハンを食べてもお腹がガーッとへこんでお腹の調子もちょっと…だったものが、先生に今日内臓も押して頂いたおかげで、今日の夕飯からは、食べた分だけ胃や下っ腹などお腹がポッコリ出るようになりました。(女心としては複雑ですが(笑)、これが人間本来の姿ならばやはり健康第一です)
首も誰かにつかまれているような錯覚に陥るほどの絞められていた感覚がなくなり、呼吸もラクにできるようになりました。久しぶりに深呼吸ができるようになったのが本当に嬉しいです。
座っていると特に呼吸が苦しかったのですが、座ってても普通に呼吸ができています。
あと顔!
頬骨周りの肉が削げ落ちたような感じになっていたのですが、ふっくらとお肉が戻ってきました。
もしかしたらお肉というよりリンパ液なのかもしれませんね。口内の腫れも今は比較的落ち着いています。
まだ少し頬の皮膚にかたいところはありますが、これから徐々に緩和されるような気がします。
今日 先生がおっしゃっていたように、たぶん間違った矯正で体のリンパとか内臓の活動が滞ってしまったのかもしれませんね。それで水分が抜けたような顔や体になったように見えたのかもしれません。
明日は病院の検査結果の日ですが、これで膠原病の疑いは限りなく0に近づいたような気はしますが、他の病気が無いか、また念のため頬や口内の組織に壊死が無いかなど確認して来ます。
呼吸ができるようになり、また顔や体が本体の調子に近づいたので、今日は久しぶりにぐっすり眠れそうです。
たった一回の間違った整体で人間の体は簡単に壊れるけれど、たった一回の正しい施術で人間の体はここまで回復するのだと改めて思いました。
そして先生に今日施術をして頂いて本当に良かった、心から感謝申し上げます。
またぜひよろしくお願い致します。
取り急ぎ、お礼まで。